アセットジェムと宝石研磨, 翡翠一考, 翡翠探訪

アセットジェム_翡翠探訪

lavender Jadeite
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暗中模索の試行錯誤で翡翠探訪を進めるにあたり、アセットジェムと翡翠原石遊びという2つの大きな方向性を考えながら進めてみようと思っている。

また、様々なパターンの原石を数多く見たり触れたりすれば、それぞれの目的にあった原石の種類の落としどころも見えてくるのではないかと思いながら、今のところはスタート地点に立つ前の部分から暗中模索と試行錯誤を続けている。



ところで、アセットジェムという言葉は直訳では簡単に言うと、資産価値のある逸品というような意味合いで、宝石貴石の視点では長く資産としての価値を持ち続ける宝石というようなことである。石だけではなく、既にジュエリーとして完成されているものももちろん資産価値があればその範囲に該当すると思うが、世代を超えた長い時間の経過を考えるとここに一旦立ち止まって一つ思うところがある。

いずれにせよ、どうせ宝石を持つならば資産になるレベルのものを持つという宝石業界の一つの視点のようである。ファッションと共にそういう視点も漠然とした潜在的な意識の中にある本質的な部分を明確化した概念であり、正に的を得ていると思う。

ヒスイについても同様で、宝石研磨や鑑別に触れた時から宝石業界のこのアセットジェムという考え方を取り入れていきたいと思っていた。当初はそれまでの活動に照らし正しい成果物を手に入れるという部分に意識が傾いていたが、今は少し心に変化があり、この考え方はその後に糸魚川翡翠に教えてもらった翡翠の楽しみ方から着想した翡翠探訪でやりたいと思い描いている活動の漠然としたイメージの答えが含まれていると思うようになった。

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作品制作用にカットだけされたミャンマー産のラベンダーと緑がある翡翠原石


そんな感じで、今までのような手に入れるという楽しみ方だけでなく、遠い目標としてアセットジェムという概念を取り入れた形に昇華することを少しだけ意識していきたいと思う。まずは目の前の泥臭い現実的な作業としては、原石を手に入れるところからスタートして自分で作るというところも含めた第6次産業的な出口のイメージを漠然と描いているが、実際には各専門家にお願いしながら一つの流れを作り上げることもあるかもしれないなどとその道筋を考えるだけでも夢が広がる。

ヒスイは世界最古の宝飾品と言われ、日本とも縁が深く、長きにわたり歴史に文化を重ねながら現在もなお多くの人がそれぞれの価値を見い出し続けている。また、ヒスイはダイヤモンドをはじめとするいわゆる宝石貴石の中でも特殊な面が多くある特別な存在であり、それを少しづつ紐解いていくのも楽しい。

また、アセットジェムはヒスイに留まらない大きな概念であると思うので、たまには翡翠特急から脱線してしまうこともあるかもしれないが、それはそれでよしとしておこうと思う。